« 融合!!コラボ? | トップページ | それがあるとき、ぱぁっと... »

2006年10月26日 (木)

貸すということ。かたちあるもの、とは?

「ちょっとオレの好きな○○のCDを貸してたんだけどね、帰ってきたら割れてんだけど。超ショック。」定期試験が終わってちょっとほっとした表情の高校生の男子が昨日の塾でそうハルに言った。

テスト前に友達に貸していたCDが返ってきたみたいだ。そのときは裏返しになっていて、袋に入れて返ってきたので全く気づかなかったみたいだけれど、ちょっとして袋を開けてみたら中が割れていたみたいだ。

「でも、そのときその場で言わないと、もうそのお友達と別れた後だったら何の証拠もなくなっちゃうじゃない。もうそのお友達の手元から離れてキミの手元に返ってきてるわけでしょ。そうしたらもしかしたら返した後に割れたんじゃない?って言われてもどうしようもないよね。」

おっとっと。理屈で、機械的に片付けてさっさと授業に入ろうとしてしまっている自分に一瞬ひやりとして最後に「う~ん。でもさ。やっぱり大切なものだからショックだよね、それはねぇ。」って付け足した。

かなり落ち込んでいるみたいだった。「貸さなきゃよかったよ。まったくさぁ!!テスト終わったのになんか気分が冴えない!!」ってぶつぶつ言う。

ハルは迷っていた。あのことを話そうか、話すまいか。

「実はね」ハルは思い切って話し始めた。おばあちゃんがあるとき、ハルの大好きな紫色でにごるような奥底から光るような光沢のあるそんな不思議で珍しい素材でできたカチューシャをハルにプレゼントしてくれた。ハルはもううれしくって毎日それをしていた。

ある日、小学校のお昼休み、手を洗うほんのちょっとの間近くにいたお友達に持っていてと頼んだ。それで手を洗い終わってびっくりした。この一瞬の間にそのカチューシャは折れていたのだ。まっぷたつに。うそ?!ちょっとあまりの出来事に信じられなかった。なんで?動揺がからだ全体を走っていくのがわかった。

そのお友達もいつもはとっても口が達者で、強気な子だったのにこのときばかりは青ざめてどうしていいか逃れるわけにも行かずただただ呆然と突っ立っているような感じだった。

ハルはそのときとっても悔しかったし、叫びたいような気もした。でも、ハルの口からでたのは意外にも「折れちゃったねぇ。ちょっと残念だぁ。お気に入りだったしね。でもさこぉれだけ毎日つけてたらさ、そりゃ、こいつもガタが来てたかもね!!いつ折れてもおかしくなかったかも!!たまたま○○ちゃんが持ったときタイミング悪かったんだろうね。ごめんね。ありがとう!!」

ちょっと自分でもそういえたことにびっくりした。けれど、相手の子はもっともっとびっくりしていた。ハルも自分の思ったことをはっきり言う子だったし、どんだけ怒られるんだろうってちょっと構えてたみたいだったのに、それなのに、そういう風に返されたものだから相当びっくりしていたみたいだった。

「でもね。それはね、おばあちゃんが前に何かくれたときにもね、ハルそのときは自分で破損しちゃって。それでへこんでたらね、<かたちあるものはみんないつかは壊れていくのよ。その時期が前後するだけで、いつかはね。だからちょっと早かっただけで、でもじゅうぶんお仕事をまっとうしたのだからそれでいいのよ。だからそんなに落胆しなくったっていいよ。>そういってくれたのね。で、そのときのことをおぼえていたんだ。だから..そのときも悔しかったけど、とっさにそういう風に言うことができたんだろうね。」

生徒はだまって聞いていた。それで、ハルはこう続けた。

「ちょっとずれちゃったけれどね、それとおんなじでさ、かたちあるものだからやっぱりCDだって割れたりもするんだよね。貸すっていうことはね、もう自分の管理下にはないんだ。自分の手元から離れてしまっているんだ。だからね本当はちゃんともとのまんま返すのが礼儀かもしれないけれどね、貸す側としてはね、「貸すということは、それをもう相手にあげたも同然。と思って貸すほうがいいのかもしれないね。ちょっとさびしい考え方かもしれないけれどね、そう考えたほうがいい。それでどうしてもそう思えないものはちゃんと最初から貸せないって断ろう。ね、そうしよう。」

人に渡したり、貸した、と言う時点でそれは自己責任であって相手にどうされても何も言えない。色々マナーとか考えたらそうではないけれども。そういう風に思っておくのが一番いいだろう。ハルの場合は何度もそういうお話をおばあちゃんから聞かされていたけれど、やっぱり今になってこそ、ちゃんと理解できている部分もあるから、なかなかまだ小学生や中学生にはこれを理解するのは難しいかもしれない。

でもこの目の前にいる高校生。彼にならばきっと理解できるはず。いつもへらへらしていて、落ち着きのない彼がいつになく真剣にハルの話しに耳を傾けていた。

「ハルちゃん先生わかった。すごくよくわかったよ。悔しいし、すっげーイライラしてたんだけどさ、そういう風に考えたことなかった。相手ばっか攻めることしかしてなかった。でもさ、そこに貸す、借りるのやりとりがあったっていう時点でさ、一人の問題じゃなくって二人の人間が関わっているわけだからさ、どちらの立場も見てみる必要があったね。オレは自分には非がないって思ってたけど、ちょっと考えなおさせられた。ハルちゃん先生は、たまにしかオレを見る機会ないけどさ、いつも何かしら教えてくれるね。ありがとう。」

坊主頭で野球少年で、もうずいぶんでっかくてちょっと見おっさんのような高校生の彼にまじめに面と向かってそんなこと言われるとは思わなかったので、とっても照れくさかった(^-^;)でも自分が思った以上に理解してくれていることを知ってとってもうれしかった。

かたちあるものはやがて壊れてしまう。でも、それもそのものの運命であって必然かもしれない。無理に壊さないでもとにかく使えるうちは大切に扱えばいいな、久しぶりにあの日のカチューシャのことを思い出して相手の子は何をしているんだろう?会ってみたいな、なんて思った昨日の夜のことでした♡→ܫ←♡♪

|

« 融合!!コラボ? | トップページ | それがあるとき、ぱぁっと... »

コメント

ハルちゃん 
確かにね・・・そういうトラブルって難しいよね。
でも、私も同じように言われて育ってきたから
悔しくても貸した方が悪いって昔言われたときに、
「もう誰にも貸さない」なんて思ったことあったけど、
ついつい忘れて、貸して無くされたり、壊されたり、
悪気は無いんだけどね。
でも、この子がこれでまた1つ大人になったんだよね。私もこんな場面に出会ったら、ハルちゃんの話させてもらっても良いかな?^^

投稿: マヤmama | 2006年10月27日 (金) 00時33分

マヤmamaさんへ

もちろんですよ。そういうことってどんどんシェアしていきたいもの。やっぱりハルもマヤmamawさんとキッズたちの経験は参考にさせていただいているし。いいことはどんどんシェア♪がモットーです♡→ܫ←♡♪

投稿: ハル | 2006年10月28日 (土) 08時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/105309/3958428

この記事へのトラックバック一覧です: 貸すということ。かたちあるもの、とは?:

» 話しやすい話題を振って、たくさん彼女の話を聞いてあげてください!10月15日更新!!次世代情報検索ポータルサイト「フロンティア」 [世界で一番幸せにしたい女!?10月15日更新!!次世代情報検索ポータルサイト「フロンティア」]
世界で一番幸せにしたい女!?10月15日更新!!次世代情報検索ポータルサイト「フロンティア」をご紹介させていただいております。毎日少しずつ進化する楽しいコンテンツ満載のポータルサイトです。お気に入りに登録しよう!! [続きを読む]

受信: 2006年10月27日 (金) 02時23分

» スキンヘッドにする意味:俗世からの離脱 [逆襲!若ハゲを隠し通した秘法を捨てた俺!~スキンヘッドになろう!~]
仏教の宗派によってはスキンヘッドが一般的なスタイルとされているために、坊主頭(ぼうずあたま)と呼ばれることも多い。仏教では剃髪することで、俗界との縁を断つとの意味合いを持たせている。... [続きを読む]

受信: 2006年10月30日 (月) 21時29分

« 融合!!コラボ? | トップページ | それがあるとき、ぱぁっと... »